嗜好品と睡眠の関係

カフェイン、タバコ、アルコールをリラックスしたいときや気分転換に用いる方も多いと思います。
これらの嗜好品は睡眠に影響を及ぼすため、楽しみ方には工夫が必要です。とくにアルコールは、付き合い方によっては、睡眠だけでなく、健康や生活にも影響を及ぼします。アルコール依存症(アルコール使用障害)は、飲酒している人であれば誰でもなりうる疾患です。だからこそ、アルコールについて正しい知識を知って、上手に付き合ってほしいと考えています。

カフェイン

個人差はありますが、カフェインには覚醒作用があるため、特に寝つきに悪影響を及ぼします。カフェインの半減期(血液中の成分が半分になる時間)は2.5~4.5時間といわれています。そのため、寝る4時間前からは、カフェインを含む飲み物には注意が必要です。

ニコチン

ニコチンは、寝付くまでの時間を長くする、深い睡眠を減らすといわれています。ニコチンの半減期(血液中の成分が半分になる時間)は2時間程度であるため、寝る直前だけでなく夜の喫煙には注意が必要です。

アルコール

アルコールで気分や寝つきが良くなる経験を持つ人は多いですが、睡眠全体で考えるとアルコールは睡眠後半の質を悪化させ、悪影響を及ぼします。一番心配なのは、アルコールを連用することで慣れが生じ、同じ量では寝付けなくなり、酒量が増えていくことです。寝る前の習慣的な飲酒が、アルコール依存症のきっかけになることもあります。睡眠で困った際は、アルコールで対処するのではなく、医療機関を受診することをご検討ください。

アルコール依存症(アルコール使用障害)について

アルコール依存症は、ゆっくりと進行し元の状態に戻れなくなる「飲酒コントロール障害」です。「ほどほどに飲む」や「適量を飲む」ことができなくなります。「特殊な人だけがなる特殊な疾患」と思っている方も多いと思いますが、日本の総人口の100人に1人弱の割合で存在していると言われいます。

不眠、単身赴任、ストレス等をきっかけとして習慣的な飲酒が始まり、飲酒を続けていく中で、次第に耐性(同じ量のアルコールでは酔えなくなる)、身体依存(アルコールの連用を中止すると、不快な禁断症状が出る)、精神依存(アルコールを飲みたい欲求にとらわれる。飲まずにはいられなくなる。)ができていきます。年単位の長い経過で進行し、知らず知らずのうちにアルコールに支配され、健康障害、職場の問題、経済問題、家庭問題が生じ負のスパイラルから抜け出せなくなってしまいます。だからこそ、アルコールについて正しい知識を知って、上手に付き合ってほしいと考えています。

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参考情報