うつ病の療養 ③回復期

生活リズムが安定し、外出できる時間が増えてきます。
外出は午後からだけでなく、午前からも出かけられるようになっていきます。人ごみや長時間の外出は疲れやすく、翌日は寝込んでしまう方もいるかもしれません。集中力や頭の回転も戻ってきて、読める本や観る番組が変わってきたという話も聞かれる時期です。学校や仕事のことが気になりだして、不安や焦りが生じる時期でもあります。

回復期も、調子には波があります

まだ調子に波がある時期です。体を動かすことと生活リズムを大事にしながら過ごすことが大事です。
生活リズムでは、「決まった時間に起床する」「もともとの生活時間帯に合わせて起床する」「定期的に出かける(散歩する)」ことを意識するのもおすすです。
復帰した際は、通学や通勤のために、時間通りに起床して、そのために早く就寝し、食事も決められた時間にとるという生活に戻さなくてはなりません。それをつらく感じないよう、少しずつ心身を慣らしていくことが必要になります。

週に3日以上定期的に外出できる気力体力が整った方には、リワークプログラムの利用について相談も行います。当院にはリワーク施設がございませんので、近隣の施設をご案内いたします。

生活記録表(生活リズム表)とは

生活リズムを整えるためには、現在の生活がどのような状況なのか、客観的に把握しておく必要があります。
何時にどのような行動をしたのか、時系列で記載していきます。書式に決まりはなく、ネットや書籍で様々なフォーマットを見かけます。指定の様式を導入している会社もあります。
一日を振り返り、起床時間、食事の時間、内服時間、横になって休んだ時間、外出した時間、就寝時間などの項目を記載していきます。

始めのうちは生活の乱れはあまり気にする必要はありません。復職や復学を意識する時期に入った場合は、決まった時間に起床でき、日中は横にならずに活動できる状態が続いている必要があります。
日中に必要な活動量については、もともとの生活状況により一人ひとり異なります。

当院で使用している生活記録表は、 こちらからダウンロードが可能ですのでご利用ください。

リワークプログラムとは

リワークとは、return to work の略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している方に対して、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施する機関で行われているプログラムです。

プログラムに応じて決まった時間に施設に通うことで、会社に通勤することを想定した訓練になります。オフィスワークや軽作業、軽スポーツ、再発予防のための疾病教育などが行われます。
クリニックや病院で実施している医療リワークと福岡障害者職業センターが実施している職リハリワークがあります。数は少ないですが、企業内でリワークプログラムを実施しているところもあります。

療養の次の段階については、こちらをご覧ください