睡眠障害
不眠症とは
年齢とともに増える「睡眠の悩み」ですが、1)加齢による正常変化、2)ストレスや不安による一時的な不眠、3)生活習慣によって生じている不眠、4)うつ病や統合失調症など精神疾患に伴う不眠、5)体の病気に伴う不眠(かゆみ、痛み、頻尿など)、6)睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害、7)治療薬の副作用による不眠(ステロイドやインターフェロン製剤)など、原因はさまざまです。
不眠を誘発していた原因を取り除いた後も、睡眠の質や量が不十分な状態が長期間続き、日中の生活に支障がでている場合に不眠症と診断されます。
不眠のタイプ
1)寝つきが悪い、眠るまでに時間がかかる(入眠障害)
2)途中で何度も目が覚める、目が覚めた後に眠れない時間が続(中途覚醒)
3)眠りが浅い(熟眠障害)
4)朝早くに目が覚め、その後は眠れない(早朝覚醒)
治療について
不眠の治療といえば、睡眠薬をイメージされる方も多いと思いますが、治療において最も大切なことは原因に合った対応です。そのため、診察ではライフスタイルや心と体の不調を伴っているかについても詳しくお聞きします。
うつ病をはじめとした精神科・心療内科の病気が原因で不眠が生じている場合は、原因となっている病気の治療が必要です。生活習慣によって不眠症状が出現している場合には、生活改善のアドバイスを行います。
睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなどが疑われる場合は、詳しい検査が必要になりますので睡眠外来など専門医の受診をおすすめいたします。体の病気の治療薬で不眠症状が出現している場合は、治療薬の調整が可能かどうか主治医の先生と連携することも検討します。
睡眠薬等の処方が必要な場合は、お薬の種類や量が少なくてすむよう、治療について相談することを大切に考えています。
また、漢方薬には不眠症に保険適応されているものもあります。「気の巡りをよくする」、「気の高ぶりを鎮める」という生薬の作用で睡眠促進作用が期待できるため、漢方薬の処方や併用も行っております。
睡眠薬をやめるときの注意点
病状によっては、睡眠薬での治療が長期になる方もいます。しかし、不眠症状が改善して日中の活動量が戻ってくると、自分の力で眠れるようになり、お薬を中止できる方もいます。
睡眠に自信がついてお薬を減らしたいと考えられるようになったら、お薬の減らし方を一緒に考えますので、主治医に相談して下さい。
処方されている薬をいっぺんにやめてしまうと、不眠症状がかえって悪化することがあります。これを反跳性不眠といいます。
「少しずつ」、「ゆっくり」減らすのが、減薬のコツです。
市販のお薬カッター(ピルカッター)を使用し、錠剤を4分の1錠から減らすことができます。減薬のスピードは2週間から1か月程度かけて、場合によってはもっとゆっくりとしたペースで行うことをお勧めします。
お薬の減らし方は、一人ひとり違ってきますので、詳しくは診察の際にご相談ください。