パニック障害
パニック発作について
突然、強い不快感が生じて急激に高まり、「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖感も伴います。一般的には、数分以内にピークに達し、30分程で消失します。
落ち着いた状態から生じる場合もあれば、不安や緊張が高い状態から生じることもあります。前者の例として、家でゆっくりしているとき、電車の中、運転中など普段の何気ない行動の最中に生じるものが挙げられます。
【パニック発作でみられる症状】
1)動悸、心拍数の増加
2)発汗
3)息苦しさ
4)窒息感
5)胸痛または胸部の不快感
6)嘔気または腹部の不快感
7)めまい感または気が遠くなる感じ
8)「どうかなってしまう」ことに対する恐怖感
9)死ぬことに対する恐怖
症状について
場所や状況にかかわらず、パニック発作が出現し、発作を繰り返します。「また発作が起こるのではないか」「コントロールを失ってしまうのではないか」という予期不安が強くなると、発作が起きた特定の場所(電車、人ごみ)や状況(その場からすぐに逃げれない)を避けるという回避行動をとるようになります。さらにひどくなると、思うように外出ができなくなり、日常生活の支障が大きくなります。
救急外来や内科外来を受診して病院で検査を受けても身体の異常は見つからず、発作を繰り返すことで、精神科・心療内科の受診を決意する方が多いです。
経過について
発症年齢の中央値は20~24歳で、女性に多い病気です。何年かの寛解期(症状が消失して安定していた時期)を経て再発することもあれば、重度の症状が持続してしまうこともあります。
治療について
薬物療法と精神療法を併用します。
薬物療法では、抗うつ薬であるSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を使用するのが一般的です。症状が改善して少なくとも半年~1年は薬物療法の継続が必要です。